デジタル遺品とは?そのままにしておくとトラブルの原因にも。処分の方法を考えます。

最終更新日: 2022/06/06

デジタル遺品とは?そのままにしておくとトラブルの原因にも。処分の方法を考えます。

遺品整理と言えば、”衣類や書籍などを片付ける”というイメージがありますが、昨今はそれだけに留まりません。デジタル遺品にも、注意を払う必要があります。
でも、一体どうやって整理をすればいいのでしょうか?
そのままにしておいてもいいんじゃないの?
そんな疑問に答えていきたいと思います。

デジタル遺品って、そんなに多いものなの?

デジタル遺品とは?

故人が高齢だった場合、「そもそもスマホには疎かったし、特に気にする必要ないと思うんだけど……。」と思われるかもしれません。
確かに、あまり使いこなしていなければ、心配は少ないでしょう。
とはいえ、2020年度の総務省調査によると、60歳以上のスマホ利用率は81%!
(もっとも利用率の高い20代で99.0%)
高齢者であっても、想像以上にスマホを所持していることが分かります。
となると、「大丈夫!」と簡単に言うのは、怖い気がしてきませんか?

たとえ高齢の方であっても、お亡くなりになった時、「日々使っていたスマホ(もしくはパソコンやタブレット)に、何かしらのデジタル遺品が遺されている」と思っていた方が無難なのです。

また、”遺品”ということで、高齢者に焦点を当ててしまいがちですが、交通事故などにより、若い方でも突然に亡くなってしまうことがあります。そうなると、デジタル遺品の分量は膨大であると考えなければいけません。
スマホのサービスは、日々、多様化しています。
伴って、デジタル遺品の増加は顕著で、種類もめまぐるしく変化!
まずは、”デジタル遺品について知る”ことが重要です。
その上で、対応策についても、しっかりと考えていかなければいけません。

デジタル遺品について

デジタル遺品とは、デジタル上に残されたデータのこと。
生前に使っていたパソコンやスマホの中に残されているデータや、ネット上にあげられたデータ等を指します。
そして、昨今のデジタル社会において、その分量は膨大なものであると言えるでしょう。
そして困ってしまうのが、何がどれだけあるのか、第三者には見当もつかないということなのです。

オフラインデータとは

オフラインデータとは、電波を必要としないデータのこと。
パソコンやスマートフォンに残されている写真や動画、連絡先などがあげられるでしょう。

データとは言え、本体や外部メモリなど形のあるメディアに残されることとなりますので、探しやすく、比較的処分しやすいデジタル遺品となります。

オンラインデータとは

オンラインデータとは、電波を必要とするデータのことです。
SNSやブログ、メールや仮想通貨、電子口座などがあげられます。最近だと、データをクラウドで管理されている方も多いため、以前であればオフラインデータとしてあったはずのものが、オンラインデータに移り変わっている可能性もあります。

そしてこちらは、大変探しにくいデータだと言えます。
故人がどこに接続し、日頃何をしていたのか、たとえ家族であっても分からないことの方が多いことでしょう。
まして、何らかのサイトにアップしたデータとなると、コピーされてしまう可能性もあり、「ゼロにはできない」というのが正直なところです。
そして、遺族はもちろん、生前の本人でさえ忘れてしまっているデータもあるでしょう。
このオンラインデータこそが、トラブルに繋がりやすいデジタル遺品だと言えるのです。

デジタル遺品で起こり得るトラブルとは

デジタル遺品を整理しておかないとどうなる?

では、デジタル遺品で起こり得るトラブルについて考えていきましょう。

よくあるのが、”有料サイトの継続課金”です。
ゲームや読み放題サイト、マッチングアプリなど、月額料金を支払って楽しむサービスは膨大です。そしてそれらは、利用者が亡くなっても、契約を解除しない限り料金は発生し続け、引き落としも続いてしまうのです。

では、引き落としのカードや口座を凍結、解約するなどすれば大丈夫なのではないか?と思うところ。
確かにその通りではあるのですが、一部サービスにとっては、その対応が危険なことも。

例えば、有料のクラウドストレージを利用していた場合。
月額料金を支払うことで保たれていたデータが、引き落としができないことにより、削除されてしまった……というケース
もあるのです。

他、インターネットバンキングや仮想通貨というバーチャル資産も強敵です。
バーチャル故、通帳などが存在せず、アカウントの存在を知らない限り、見つけ出すこと自体、至難の業。
また、FXなどのハイリスクな資産運用を行っていたとしたら、思わぬ間に多額の負債が発生している可能性も……。

まずは、「デジタル資産というものがある」ことを知り、その危険性を理解しておくことが大事なのです。

デジタル遺品、どう処理する?

デジタル遺品はどのように処理すればいい?

デジタル遺品の処理について考えていきましょう。

まず、デジタル遺品は”相続対象”です。
そのため、相続人が決定していない段階で、勝手に整理してはいけません。
もし、その相続前の段階で整理の必要があるのであれば、必ず、遺族全員で相談してから行います。
ただでさえ難しい遺産相続。さらには、デジタル遺産。これ以上、要らぬトラブルを発生させぬよう、十分に気をつけて進めていきましょう。

次に、仮想通貨やインターネットバンキング等に残されている資産について。
これは、”現金化できるもの”となります。
そのため、通常の現金や口座預金などと同じ方式での相続を行っていくこととなります。
手続きについては、取り扱いの会社により手順も用意する書類も異なりますので、確認が必要です。
取扱会社からすると、相続はよくある話です。きちんと順を追って進めていけば、問題はありません。

写真や連絡先など、現金化できないデータについては、遺族が取捨選択を行う必要があります。
膨大でなければ、持ち運び可能なハードディスクなどに保存し、じっくりと時間をかけて整理してもいいかもしれません。
”想い出”の取り扱いについては、遺族によって考えがまったく異なってくる部分です。
確認せずに消去してしまうと、思わぬトラブルとなってしまう可能性も多大にあるのです。

こんな場合は、慌てず業者へ

デジタル遺品の整理をしようにも、手も足も出ない……という場合があります。

 ・ パソコンのパスワードが分からない。
 ・ スマートフォンのロックが解除できない。
 ・ 有料サイトの利用は分かったけど、ログインできない。

など。このような場合には、慌てず、騒がず、専門の業者へ依頼することが重要です。
無理な解除を試みたばかりに緊急ロックがかかり、オンラインデータの確認や消去などの手続きができなくなってしまう可能性があります。
そうなってしまうと、より大変なことに……。
ややこしくなる前に、プロの助けを借りた方が無難だと言えるでしょう。

デジタル遺品を残さない努力

デジタル遺品を残さないために

デジタル遺品の把握は本人でないとできないこと、お分かり頂けたかと思います。
遺族が後追いでやろうとしても、きっとそれは完璧ではなく、見落としがあるもの。
そして悲しいかな、その見落としに気づくこともできないのです。
もしかすると、大事なデータが消えてしまった可能性も……。

だからこそ、生前に、本人が、きちんと管理をしておくことが重要なのです!

 ・ どのような有料サービスを利用しているのか。
 ・ SNSなどの利用状況。
 ・ クラウド上に保存しているデータで重要なものは無いか。

これらを、ノートなどに書き留め、きちんと保管・管理をしておくことが、これからの時代に求められること。
そしてそれは、終活をされている方も同様です。
エンディングノートを書かれる際、デジタル遺品の存在と共に、アカウントのIDやパスワードも記載し、遺族が整理しやすくしておきましょう。
また、遺品整理の中に、スマホのデータ削除依頼も追加しておくといいでしょう。
そして、登録中の様々なサービスについても、特に必要がないけれど何となく続けている……というようなものがあれば、事前に解約!
デジタル遺品を整理しておけば、亡き後、遺族にかかる負担を大きく軽減することができますよ。

デジタル遺産のアレコレ、すべて任せたい時には

デジタル遺品、そのままにしておくと怖いな。
でも、何をどうしたらいいのか分からない。

……とお困りの際には、相場屋までご連絡ください。
相場屋には様々なネットワークがあります。
その中より、お客様のお困りごとを解決に繋げる、そんなお手伝いが可能
です。

お困りの内容をまとめ、どのようなサービスを求めているのかお伝えください。
お客様のご都合に合わせてお宅へ伺い、お見積もりをさせて頂きます。

もちろん、デジタル遺品の整理のみならず、衣類や書籍など、一般的な遺品整理についてもお引き受けしております。
何でも、お気軽にご相談ください!

※ 相場屋の遺品整理については、コチラへ。

まとめ

デジタル遺品はほんの少し前までは存在せず、そんな言葉もありませんでした。
しかし現代、国民全員がデジタル遺品を持っているのだと言っても、決して過言ではないでしょう。
現代科学の成長と共に生まれてしまった、デジタル遺品。今後、さらにネット社会が進んでいけば、より様々な形で存在していくことになることでしょう。
遺族の手を煩わせないために、生前に処理しておく。あるいは、亡くなった後に処理しやすいよう、準備を整えておくなど、生前からできることを心がけておきましょう。

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