遺品整理業者の正しい選び⽅と、注意点や相場感を徹底解説

最終更新日: 2022/03/23

遺品整理業者の正しい選び⽅と、注意点や相場感を徹底解説

大切な方を亡くしてしまったとき、実は、ご遺族は悲しみに暮れるだけではいられません。
公的手続き、葬儀の準備、保険の手続き、遺言の確認、相続人調査、遺品整理、名義変更……やるべきことが本当にたくさんあります。
そしてこれらの事柄を、たいへん心を痛めている中においてこなしていかなければならないという事実……。
今回は”遺品整理”を取り上げ、専門業者へ頼る意義について考えます。

とても大変な、遺品整理!

”遺品整理”とは、亡くなられた方の生前の持ち物、ありとあらゆる物をすべて整理する作業を言います。物持ちの良い人だと、「大変そうだ」と感じられるかもしれません。反面、シンプルな暮らしをしていた方の場合、「それほど大変ではないだろう」と思うことでしょう。

しかし!
遺品整理には、想像をはるかに超えた時間がかかるものなのです。

というのも、人が所有するものは、金銭的価値のある品物ばかりとは限りません。思い出の品や写真など、捨てるに憚られるもの等ありとあらゆる物があり、さらには物に応じて対応の仕方が異なります。
それを悲しみの中で行うのだと考えれば、大変であることがお分かり頂けるのではないでしょうか。

そこで活用できるのが、専門業者の存在です。
公的手続きや保険などは、ご遺族でなければできない事柄です。しかし、葬儀の準備や遺品の整理であれば、必ずしもご遺族ですべてを行う必要はありません。
受けられる外部サポートは最大限活用し、無理のない、そして精神的苦痛を少しでも取り除ける方法を、選択して欲しいと思います。

遺品整理とは、どのようなことを行うのか

遺品整理で大切なことは、以下の3点。

● 必要な物と不要な物を仕分ける
● 必要な物の引き渡しと、不要な物の適切な処分
● 簡易清掃による、原状復帰

全てを処分する不用品回収とは異なり、故人や遺族の思いに寄り添うことが求められるため、細やかな心配りと作業ができなければ、遺品整理を名乗ることはできません。
そして、賃貸物件であればきれいな状態へ戻し、退去ができる状態へ整えることも、大切な役割のひとつ。

通常の作業とは、性質が異なることをきちんと理解した専門の業者へ依頼する。
これが、遺族にとっての心強いサポーターとなることを、ぜひ知っておいて欲しいと思います。

みんなの遺品整理、その方法とは


兵庫県にお住まいの方々に、アンケート調査を行いました。
実際に遺品整理を行った感想を聞き、感じたこと、苦労など、ぜひ参考にして欲しいと思います。

 アンケートは、『どのような方法で遺品整理をしましたか?』 について伺いました。

すべて遺族で行った方々

● 明石市在住 47歳 男性

 家族で相談しながら行いました。
 ひとつひとつの品を見ては、故人との思い出や、
 購入時の気持ちなど話し合うことができ、貴重な機会となりました。
 大変ではありましたが、遺族で片付けて良かったと思っています。

● 姫路市在住 54歳 男性

 兄妹と、自分の奥さんとで行いました。
 処分するものが多く、丸々1週間かかりました。
 自分たちでと無理せず、業者に頼めば良かったと後悔しました。

● 宝塚市在住 33歳 男性

 大切なものや遺書などが出てきた場合のことを考えて、
 遺族のみで遺品整理をおこないました。

物の分量や遺族の人数、生活状況などにより、片付けにかかる日数や手間に対する捉え方が大きく異なることがわかります。
大切なものや遺書が出てくることを危惧している方もおられますが、専門業者による遺品整理において、大事な物を勝手に処分するようなことはありませんので、ご安心頂ければと思います。

専門業者に依頼した方々

● 丹波篠山市在住 53歳 男性

 実家には蔵があり、中には骨董品が山ほど。
 とても家族だけでは整理できませんでした。
 専門業者に依頼し、価値のあるものと無いものを判断してもらえて良かったです。
 価値のあるものは一部遺族で形見分けし、残りは買い取ってもらいました。

● 西宮市在住 60歳 男性

 素人では、遺品整理をするにしても何から手をつけて良いのか分からず、専門業者さんへ依頼。
 とくに価値のある物はなく、専門業者さんに処分をお願いしましたが、
 費用も安く、清掃なども含め、とても丁寧に対応して頂けました。

● 神戸市在住 40歳 女性

 買い物依存症と末期のがんを患っていた祖母。
 家の中は物であふれかえっていました。
 とても家族だけで整理できる量ではなかったことと、
 未開封の商品や骨董品も数多く、価値も分からないため、業者に依頼することにしました。
 仕分けながら一気に片付けて頂き、買い取りの対象となった物も多かったです。
 当初、処分費用はそこそこの見積り額でしたが、
 買い取り額も思っていた以上に高く、差し引かれ、グッと抑えて貰えたのでありがたかったです。

専門業者を”プロ”と位置付け、より正確な判断を求めて依頼されているケースが多いと感じます。
分量が多い場合にも、プロの手は必要だと思われます。

不用品回収業者に依頼した方々

● 川西市在住 47歳 男性

 ゴミ屋敷と化していました。
 遺品整理だけでなく、清掃や廃品回収も同時にお願いできる業者へ依頼しました。
 ゴミ屋敷と思っていましたが、買い取りできる品もいくらかはあり、
 費用から差し引いて頂けたので、本当に助かりました。

遺品整理を謳う業者には、”遺品整理”と項目を掲げて行っている業者の他、不用品回収の一環、サービスのひとつとして行っている業者の2種類があります。
もちろん、前者の方が遺品整理をお任せするのに適しているのですが、遺品と呼ばれる物が明らかに少ないと思われる場合には、後者を選ばれても問題はありません。
どちらに依頼するにしても、作業内容にどのような項目が含まれているのか、お焚き上げ等はしてもらえるのか等、事前に確認するようにしましょう。
遺品整理だけでなく、不用品回収の要素もあると感じる場合には、遺品整理と不用品回収の両方ができる業者に依頼するといいでしょう。

以上、さまざまな意見が聞かれました。
参考にして頂き、ご自身の時にはぜひ、後悔のない遺品整理を行って欲しいと思います。

一番楽な遺品整理とは、遺品の状態を判断した上で、適切な業者へ依頼するという方法です。
しかし、『敢えて楽な道を選ばない』という方がいても、それはそれでいいのです。
片付ける時間を故人とのお別れの時間と捉え、じっくりと時間をかけて心の整理をつけていくこともまた、お別れの形。

かけられる時間の有無・自宅との距離・手伝える人数など状況に合わせ、遺族でするのか、業者に任せるのか、考えてみてください。

遺品整理をするときは、ここに注意!

遺族でするにしても、業者に依頼するにしても、遺品整理には注意しておかなければならないことがあります。
それは、どの品物を残し、どの品物を処分するのか、ということ。
チェックリストを作るなどして、あらかじめ決めておきましょう。

例えば……。

● 衣類はすべて捨てる。

● アルバムや写真、手紙類は残す。

● 雑誌は捨て、書籍は残す。

● 趣味の品は、その都度確認する。

というような感じです。

何もわからない状態ではじめると作業効率が悪くなるだけでなく、必要な物を間違って処分してしまう可能性も!処分してしまうと二度と取り戻すことは叶いません。事前準備はきちんと行った方が安心です。

最近だと、エンディングノートを書かれている方も少なくありません。
事前にエンディングノート有無を確認し、故人の意向に添うことも大切です。

また、趣味の品などは、価値が計れない物も多くあります。
そのような場合には、専門業者の出番!相談にのってもらうのも、ひとつの方法です。

※ エンディングノートとは?
エンディングノートとは、もしものときに備え、して欲しいことや想いを書き留めておくノートのこと。
例えば、お葬式には誰を読んで欲しいのか、どんな式が希望か、ペットをお願いする人、遺品はどうして欲しいのか……などが書けるようになっています。
昨今、”終活”が一般的になってきていることから、エンディングノートを遺す人も増えてきています。
エンディングノートの意義については、コチラも参考になります。ぜひお読みください。

遺品整理の業者選び、失敗しないために

遺品整理を業者にお願いする場合、誰でもいい訳ではありませんよね。
大切な人の大事にしていた品物を託すのですから。
とはいえ、遺品整理をする機会は人生において少なく、どう選べばいいのか分からないことも多いかと思いますので、確認しておくべきポイントを挙げていきましょう。

遺品整理で大切にしなければいけないことは、”故人や遺族の想い”です。
「要らないから捨てる」であれば、不用品回収と変わりません。
「置いておきたいけれど捨てる」物があり、「要らないけれど置いておく」物があるのが遺品整理。
その思いをきちんと汲み取ってくれる業者でなければいけません。
だからこそ、大事にしなければいけないのが、”打ち合わせ”です。
思い出の品にどう対応するのかしっかりと話し合いができれば、安心してお任せすることができます。
時間をしっかり設けてくれるかどうか、確認しておきましょう。

次に、金額。
きちんと金額を提示し、内訳についても説明してくれるかどうか。
そして、その金額通りの請求となることも事前に確認しておきましょう。
業者によっては、見積もりとは異なる、はるかに高額の請求を行う場合もあるようです。
見積書へ、「追加料金は発生しない」「作業内容が見積り時と異ならないことを保障する」など明記をしてもらい、拘束力を持たせるのも使い方のひとつです。

また、遺品整理特有のサービスである、お焚き上げなどをしてもらえるのかどうかの確認も重要です。
故人の思い出が詰まった品々ですから、ポイッと捨てるような処分ではいけません。

そして最後に大事なことをもうひとつ。
遺品整理にはある程度の必要経費が存在し、営業努力などで簡単に抑えられるものではありません。
にもかかわらず、極端に安い金額を提示してくる業者は、どこかで必要経費を省いていると考えた方がいいでしょう。
もしかすると、不法投棄することにより、ゴミ代を削減しているのかもしれません。
そしてそのようなことがあれば、不法投棄の責任を負うのは元々の持ち主である依頼者。
適正な価格かどうか見極める力を持つことも、とても重要なことなのです。

遺品整理の相場について

参考となる価格が分かれば、高すぎる業者や安すぎる業者に騙されてしまうこともないでしょう。
以下は、弊社で遺品整理をお引き受けした場合の料金帯です。(詳細はコチラへ)
こちらを目安に、比較検討の材料として頂ければと思います。

ただし、あくまでも”目安”としてお考えください。
一般的な家庭での想定であり、極端に物が多い場合や特殊作業を要する場合には、金額の増加があり得ます。
増加となるのは、以下のような場合です。

● 不用品の量と内容

遺品を分別し、不要と判断された物に対し、処分費用がかかります。
つまり、不用品が極端に多い時には、高くなることがあります。
また、不用品の中に、冷蔵庫やテレビなど、家電リサイクル法に定められる品が含まれている場合には、それに応じた処分費用も加算されます。

● 作業人数

小さなお部屋であっても、極端に仕分け作業が発生するなど作業人数が追加で必要となる時には料金が高くなることがあります。

● 作業に関わるその他の要因

時に、作業がスムーズに行えない場合があります。
例えば、2階以上からの吊り降ろし作業が発生したり、トラックを横付けできず、遠距離の運び出し作業が必要となる場合など。
このような特別な作業が加わる場合には、追加の作業代が必要となります。

以上、弊社のお見積もり概要をお伝えいたしました。
他の業者の場合、相違点もあるかと思いますが、おおよそ似たような計算法かと思います。

ただし弊社に限って言えば、不用品の中に価値ある品が含まれていた場合、リユース・リサイクルでの下取りを行い、作業代金より下取り額を差し引くことが可能です!
思わぬ減額となる場合もありますよ。

まとめ

遺品整理は、とても繊細な作業です。
遺族で行っても、業者に依頼しても、気にしなければいけない部分が多々ございます。
今回の内容をご確認頂き、後々トラブルとならないよう、そして後悔の無いよう、つつがなく執り行って頂けたらと思います。

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